弱視について
2019.12.01
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3歳児健康診査や就学前健康診査で見えにくい乳幼児が見つかります。眼球に器質的な異常がないか、あってもそれだけでは説明できない低視力を『弱視』といいます。その原因から屈折異常弱視(強い遠視や乱視)、不同視弱視(屈折の左右差)、斜視弱視、形態覚遮断弱視があります。
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近年小さな乳幼児でもこれらを簡便に検出するスポットビジョンスクリーナーという機器が開発され有用性が示されています。眼科や3歳児健康診査で使用する自治体も増加してきています。京都市でも導入が望まれます。
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『弱視』は適切な時期に治療を行うことによって良好な視力を得られる可能性が高いため、早期発見、早期治療が重要です。
コンタクトレンズによる角膜感染症について
2019.05.01
- コンタクトレンズによる重症角膜感染症が増えています。約50%は緑膿菌などの細菌、約30%はアカントアメーバです。背景にはインターネット等で気軽に買えるようになってきたこと(50%)、オシャレのためカラーコンタクトレンズをする方が増えてきたことなどが考えられます。
- 重症感染症になる前には、コンタクトレンズケースに前兆が見られます。コンタクトレンズケース表面にネバネバしたバイオフィルムが形成され、細菌、真菌、アカントアメーバ、蛋白質が含まれています。それらがコンタクトレンズ表面に付着し、感染症やアレルギーの原因になります。市販の歯垢可視化剤を着けて観察するとバイオフィルムが可視化されます。
- 緑膿菌は2〜3日で進行します。治療は角膜に優しい種類のニューキノロン系点眼剤の頻回点眼を行います。アカントアメーバは1週間〜2ヶ月で進行します。抗真菌剤やヨード剤はあまり効かず、PHMB原液をコンタクトレンズ保存液の50〜200倍にしたもの、クロルヘキシジン0.02%、ブローレン点眼剤(欧州で市販薬として販売)を頻回点眼します。
- オルソケラトロジーは就寝中に装用するため角膜が低酸素になり傷がつきやすく、瞬きによる涙液交換がないためアカントアメーバ感染症が30%に見られます。
- シリコンハイドロゲルレンズの表面は病原体が付着しやすいため、ケアをしっかりする必要があります。
視神経乳頭陥凹拡大について
2019.02.01
- 人間ドックなどで「視神経乳頭陥凹(かんおう)拡大」の指摘を受けることがあります。
- 視神経乳頭は眼底(目の奥)にあり、通常は橙色で中央部に白色の凹みがあり、視神経乳頭陥凹と呼ばれます。この陥凹が大きいと判断された場合は、視神経線維数が減少していることがあります。
- 代表的な病気として緑内障があります。緑内障は視神経乳頭が上述のように変化し、進行すると視野に見えない部分が生じたり視野が狭くなったりする病気です。視野検査などの精密検査が必要になります。
- 現時点では緑内障の公的健診制度は整備されていないため眼科での定期検査が必要です。
飛蚊症(ひぶんしょう)について
2019.01.01
- 目の前を物が飛んでいるようにみえる症状です。形は蚊のようなものや、ミミズのようなもの、墨をこぼした様なものなど多様です。眼を動かすと、物もついてきます。
- 目の中の硝子体や前房という場所に濁りがあり、その影が見えていると考えられます。これらの濁りには、純粋な濁りで治療が必要でない場合もありますが、網膜剥離、網膜出血、ぶどう膜炎といった治療が必要な病気が発見される場合もあります。
- 瞳孔を薬剤で開いて眼の中を観察する精密眼底検査が必要になります。検査後は瞳孔を開いた影響で眩しさを感じます。運転は数時間行わないで下さい。
- 早期の網膜剥離や網膜出血などではレーザーを用いた網膜光凝固術が有効なことがあります。
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